現在、日本の医療現場では看護師不足が深刻です。少子高齢化により、医療を必要とする高齢者人口が増えているなか、労働人口は減少し、患者さんをケアする看護師の数は足りていません。労働者不足という理由だけではなく、看護師になった方は数年すると離職してしまうケースも目立ちます。看護師は女性の多い職業で、結婚や出産の影響を受け、継続して働くことが難しいという理由もあるのでしょう。看護師はハードな仕事なため、家庭と仕事を両立させるのは簡単ではありません。

このようなことから、看護職のワークライフバランスを実現させようという試みが始められています。生活と仕事のバランスがうまく取れるような、雇用形態が模索されているようです。ワークライフバランスを実現する雇用形態の例を挙げると、1日5時間勤務、週4日勤務などの短時間正職員という働き方が考えられています。
1日5時間勤務ができるようになると、子育てをしている方でもある程度余裕を持って仕事に取り組めるようになるかもしれません。週4日勤務も休日が多いため、家庭と仕事の両立をしながらでも休息が取れるのではないでしょうか。

また、複数人で一人分の仕事を分け合うワークシェアリング、出勤時間をずらせる時差出勤、自分で総労働時間を決められるフレックスタイム制の導入なども模索されています。この他にも、ワークライフバランスを考えた様々な働き方の普及が進められているようです。
現在、医療機関の現場ではこのような試みが取り入れられてはいませんが、実現されると離職率も下がり、結婚や出産後も働きやすくなり、看護師不足も解消されるのではと期待されています。